日立製作所の株価はおかしくない理由|株価推移が妥当と判断される背景

構造改革による高収益体質への脱却

日立製作所の株価が上昇を続けている背景には、過去十数年にわたる徹底した事業の選択と集中がある。

かつての日立製作所は、家電から重電まで幅広く手掛ける「総合電機メーカー」として、収益性の低さが課題となっていた。

しかし、日立製作所は利益率の低い子会社を次々と売却し、ITとインフラを融合させた独自のビジネスモデルへと舵を切った。

現在の株価は、場当たり的な期待感ではなく、明確な収益力の向上に基づいた評価といえる。

ルマーダを核としたデジタル成長戦略

日立製作所の成長を支える最大のエンジンは、デジタルソリューションプラットフォームであるルマーダだ。

データ解析やAIを活用して顧客の課題を解決するルマーダは、一度導入されると継続的な収益を生むストック型のビジネスモデルを確立した。

ハードウェアの売り切りモデルから、高利益率のITサービスへと利益構造が劇的に変化したことが、投資家から高く評価されている。

IT分野の成長は、日立製作所の企業価値を従来の製造業の枠組みからテクノロジー企業へと押し上げた。

グローバル展開の加速と海外企業の買収

日立製作所は、イタリアのアンサルドSTSやスイスのABBのパワーグリッド事業、米国のグローバルロジックなど、巨額の買収を成功させてきた。

これらの買収により、日立製作所は日本国内の市場だけでなく、欧州や北米といった世界市場での競争力を手に入れた。

特にエネルギー問題や交通インフラのデジタル化は世界共通の課題であり、日立製作所の技術が必要とされる場面は増え続けている。

世界的な脱炭素化の潮流も、日立製作所の送電網事業や鉄道事業にとって強力な追い風となっている。

資本効率の向上と株主還元の姿勢

日立製作所は、資本効率を示す指標であるROIC(投下資本利益率)を重視した経営を徹底している。

投資家は、預けた資金がどれだけ効率的に利益を生み出しているかを厳しくチェックするが、日立製作所はこの期待に数字で応えてきた。

また、増配や自己株式取得といった株主への利益還元に対しても積極的な姿勢を見せている。

経営陣が株価を意識した経営を行い、市場との対話を重視している点も、現在の株価水準が「おかしくない」とされる大きな理由だ。

景気に左右されにくい事業ポートフォリオ

日立製作所の事業は、電力、鉄道、IT、ヘルスケアなど、社会の基盤を支えるインフラ領域が中心だ。

これらは景気変動の影響を受けにくく、中長期的に安定した需要が見込める分野である。

不安定な世界情勢の中でも、日立製作所の業績が崩れにくいという安心感が、買い安心感を呼んでいる。

今の株価は、将来の不確実性に対する耐性と、確かな成長性の両面を織り込んだ結果だ。

日立製作所の株価に関する口コミ

昔の日立製作所とは完全に別の会社。利益率の低い事業を切り離して、高収益なITサービスに特化したのだから、今の高い株価はむしろ適正。

ルマーダの成長性が凄まじい。製造業というより、もはやグーグルやマイクロソフトに近いDX企業として評価すべき。

海外のインフラ需要をしっかり取り込めている。特にパワーグリッド事業の買収は、今のエネルギー転換期にぴったりの戦略だった。

構造改革が一段落して、これからは収益を回収するフェーズに入る。PERなどの指標を見ても、他のグローバル企業と比較して割高とは思わない。

経営陣の意志が明確で、次に何をすべきかが投資家に伝わっている。日本株の中で、日立製作所ほどガバナンスが機能している企業は珍しい。